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簡単にボクの自己紹介させてもらいますと、今の風俗店で働き始めて3年目になる<メンバー長>です。
先月晴れて<メンバー>から<メンバー長>に昇進したばかりなんですけど、お店の風俗嬢として働く女の子からは、ボクの外見が熊さんにも似ているからクマさんって呼ばれています。
ココでお話しするのは2004年頃の風俗業界の話です。
今では風俗嬢をホテルや自宅に派遣するデリバリーヘルスが主体なんですけど、2004年当時は店舗型の風俗店ばかりだったのって知っていましたか?
当時は携帯電話もインターネットも普及していない時代だったので、今の時代では考えられないですけど、至るところに無数にあった公衆電話のボックス内や、ラブホテルの入口に<ピンクビラ>というデリヘルの小さい広告がいっぱい貼ってあったんです。
↓ こんなのが ↓
特にラブホテルの入口の床には、キレイに並んでいるピンクビラの光景は絶景で面白かったけど、その写真がインターネット上で見つからないから、ぜひイメージしてみて欲しいです。
だから当時の派遣型デリヘルは全く主流ではなく、ちょっと怪しい怖い店ってイメージが強かったかもしれないですね。
だから風俗店といえば【店舗型風俗】が当たり前で、繁華街に行くとそこら中に店舗型の風俗が乱立していた時代だったんです。
でも沢山あった店舗型の風俗店って・・
当時の風俗店を利用していたお客様の半分以上は、実は違法店だったという事実はあまり知らなかったと思いますね。だって、普通のカフェみたいに目立つように風俗店を構えていたんですから。
違法店なんだけど違法店じゃないみたいな・・<暗黙の了解>的なものがあった良き古き時代ですよね。警察や行政が違法行為を黙認している状態という事ですね。
現在の社会で例えるならば「ピンクサロン」が良い例ではないでしょうか?
ピンクサロン(ピンサロ)は写真のイメージ通りなんですけど、低い壁で仕切られた店内で女性がお客さんに対して、フェラチオしたり素股したりと普通に性的なサービスをするんですよね。
でもピンクサロンの営業許可証って、キャバクラと同じ【社交飲食店営業許可証】で営業しているんです。
でもピンクサロンの存在自体は、暗黙の了解として黙認されて摘発される事例は意外と少ないんです。
大阪の飛田新地で有名な<ちょんの間>も同じ感じですよね。
写真のイメージのようなお店が、等間隔で数十件と並んでいる通りがいくつかあるんです。
ボクも行ったことあるけど、本当に異世界のようで凄い光景です!行ったことがない人は一度で良いから、絶対に行って見て体験するべきだと思います。いつ無くなるか分からないですし・・。
この飛田新地で有名な<ちょんの間>は、写真のようにゴリゴリのおばちゃんと、遊べるお姉ちゃんがセットになって入口に座っているんですけど、お姉ちゃんには鈴木その子さんばりに凄い照明が顔に当てられてて、気に入った子がいればオバちゃんに言って、二階でチャチャッと10分くらいでエッチして終わるんです。
でも<ちょんの間>という業態は、普通に女の子とエッチする場所なのに、料亭用の【許可証】で営業しているんですよね。だからエッチなプレイ前に簡単なお茶菓子が出るんです。
飛田新地という1つの大きな町のブロックで、大々的に売春行為が行われているのに、警察・行政に摘発されずにこの商売が継続できているのは【飛田新地料理組合】の力なんです。
この【飛田新地料理組合】が警察や行政に対して、「我々が責任を持ってこれらのちょんの間をしっかりと管理・統括するので目をつぶって下さい」という暗黙の取り決めがなされているから、今でも堂々と商売が出来ているという事なんですよね。
そう思う方もたくさんいると思いますけど、この形こそ理想であり最良だとボクは思います。暴力団以外の組織がしっかりと舵を握ることで秩序が守られるのなら、それが一番ベストじゃないでしょうか!
東京の「吉原」や札幌の「すすきの」や滋賀の「雄琴」や岐阜の「金津園」や福岡の「中洲」や沖縄の「辻」などで有名なソープランドも同じです。
ソープランドにはファッションヘルス同様に【店舗型性風俗特殊営業許可証】がありますが、本番行為は売春となり日本では違法行為です。でもサービスの一環として行われている事は、警察だって行政だって大人ならみんな知っている事実です。
日本の法律では、金銭が発生する男女間の本番行為は売春行為と見なされ違法行為になるけど、ソープランドでは「セックス行為が行われているなんて知らない」もしくは「密室での自由恋愛だ」という理由で、摘発される事例は見せしめ以外では稀だと思うんですよね。
たまに「組織的売春行為でソープランドを摘発」なんてニュースがネットで流れますが、多くの人が「えっ?」って思いませんか?
そんな感じで2004年頃までの店舗型の違法風俗店も当たり前のようにいっぱいあったんです!
でも当時の東京都知事である「石原慎太郎」指揮のもと、新宿歌舞伎町をキレイな町にしようというプロジェクト「歌舞伎町浄化作戦」が始まって、違法な店舗型風俗店の摘発や不法滞在の外国人の摘発、また暴力団・ヤクザの締め出しやスカウト・キャッチ行為の規制強化など、歌舞伎町の悪評を払拭するための施策が取られた流れで、池袋や渋谷や上野など東京にある主要な繁華街は、一斉に警察・行政による摘発(ガサ入れ)の対象となる大きな出来事がありました。
東京の賑やかなピンク色の繁華街が、本当に静まり返った時期でした。
結果的には今まで黙認されていた数多くの事を、浄化作戦という名のもとで突然締め付けた事で、違法な犯罪行為は完全に地下に潜ってしまい、警察・行政の監視の目が届きにくくなりました。
例えるならば、<人相の悪いヤクザ>ばかりだったのに歌舞伎町浄化作戦をした事で、<外見が一般的なサラリーマン風のヤクザ>ばかりになってしまったという事です。誰が悪いやつか判断しづらくなっちゃった感じで・・。
ボクの勤めていた風俗店は、地下1階から地上4階までのエレベーター付きの建物でした。プレイルームが15部屋ある元ラブホテルのビル一棟全てが1つの風俗店だから結構大きいですよね。
【地下1階】
・受付(リスト)
・お客様の待合室
・簡易的な応接室
【地上1階】
・撮影ルーム
・面接ルーム
・男子スタッフ用の更衣室
・倉庫 2室
【地上2階】
・プレイルーム 5室
・リネン室 兼 男子スタッフ待機所
【地上3階】
・プレイルーム 6室
【地上4階】
・プレイルーム 4室
営業していたビルは1フロアで35坪ほどと狭いですが、各階は上記のような構造になっています。
当時の店舗型の違法風俗店の摘発の基本的な流れとしては、まず所轄の刑事がお店に1人か2人でフラッとやってきます。
実はボク、この風俗店が違法営業だっていうのをこの時に初めて知ったんです。いやホントに!
違法営業という事実には正直ビックリしましたけど、ヤバい!辞めよう!という気持ちは不思議と全く無かったですね。
だって法律には違反しているのかもしれないけど、この風俗店が存在することで誰かを不幸にしている事が無いからです。
でもココで感の良い読者さんは気づくと思いますが、違法営業をしているに<事前に警告>という行為が入る意味が分かりますか?まさに今までは暗黙の了解があったからこその事前の警告なんですよね。警察も意外と律儀なトコがありますよね。
所轄の警察から受けた事前の<警告>を無視して営業を続けると、警察による内偵の状況次第だとは思いますので断言は出来ませんが、だいたい2週間~2ヶ月くらいの期間で摘発(ガサ入れ)が来るのが当時は一般的だったと思います。
ボクの働いていた風俗店のオーナーは「他にも風俗店いっぱいあるし暫く大丈夫だろ」って感じで、警告が入ったことは他の従業員には隠して営業を継続していました。
警察から<警告>受けたことをすっかり忘れていた1ヶ月後・・
お客様が地下の受付に降りてくると人間を感知して鳴るベルの音です。
サラリーマンが2名でご来店です!夜の営業ならアリガチですが日中には珍しいパターンです。
そう言いながら女の子の写真にはあまり目もくれず、店内や受付(リスト)の中をジロジロ見ています。
この雰囲気で凄く嫌な予感がしました・・もしかして警察?
すると階段方面からドタバタドタバタという音と共に、大勢の人間が上階に駆け上がる音が聞こえました!
接客中のお客様から慣れた感じで・・
そして同時に地下の受付フロアにも数人の警察官が走り降りてきました。
あっという間に、地下から4階まで店内の全てを警察に掌握・占領されてしまいました。
受付(リスト)には、全プレイルームと繋がる内線専用電話が備え付けられているのですが、一斉にこの電話からコールの音がピピピピピピピピっと鳴り響きます。
警察に怒鳴られましたが、言われる前に反射的に出ちゃって女の子が泣きそうな声で・・
って会話が聞こえたあとに、警察に電話の受話器を取り上げられました。
お店の女の子はずっとプレイルームで待機となります。基本的にプレイルームはお客様との接客中には鍵を閉めるんですが、ついつい鍵を締め忘れてしまうオッチョコチョイな女の子がたまにいます。
コレは摘発時となるとマジで悲惨です!
男と女が裸同士で絡み合っているプレイの真っ最中に、見知らぬ男たちが複数で部屋に乱入してきたら、こんな恐ろしいことはないでしょう!
そんな恐怖体験を味わったお部屋は、更に悲惨な追加イベントが発生するんです!
正式名称は分かりませんが「現場検証」なのか「現場確認」と称した摘発現場の証拠を抑えた時のプレイ中の様子を、逮捕される従業員の立ち会いのもとで、お客さんと女の子が再現させられます。
要は店舗型の性風俗営業許可を取っていない店舗の個室で、女性が男性に対して性的なサービスを提供しているという違法な証拠です。
(業種説明のため少しお話が逸れます)
ボクが働く風俗店はイメージクラブ(イメクラ店)です。
お店の名前は「池袋ファーストキス」ってことにしておきましょう。
このイメクラは、セーラー服やブレザーやスクール水着などを着用した女の子を女子高生(JK)に見立てて、夜這いプレイや痴漢プレイや恋人プレイなどを楽しむ風俗店です!
それぞれのプレイルームにはポールで組まれた電車のつり革の設備があり、CDで電車の走る音を流しながら、<Aコースの痴漢プレイ>を本物さながらに楽しんだりできるんです。
プレイの流れとしては、<Cコースの恋人プレイ>以外は、女の子はプレイルーム内のカーテンの仕切りの内側で隠れていて、お客さんは女の子と対面する前に、1人でシャワーに入ってもらって洗ってもらいます。
その時に<Aコースの痴漢プレイ>であれば、女の子は自分で電車音のラジカセをスタートして、アイマスクをつけた状態で手すりに捕まり、立った状態で電車に揺られている演技をします。
<Bコースの夜這いプレイ>であれば、カーテンを開けてベットにアイマスクをつけた状態で寝たフリをして待ちます。女の子にとってはBコースが一番楽みたいですね。だって何にもせずにただ横になって寝ているフリをしていればいいだけですから。
話はまた更に逸れちゃいますけど、イメージクラブという業態は【オプション】が豊富にあるんです!
その中から人気のオプションをひとつだけ紹介します。
お客様が女の子にオシッコをかけてもらったり、女の子のオシッコを飲んでみたり、キティーちゃんの可愛いピンクの水筒にオシッコを入れて持ち帰るということも出来るんですけど、意外にもオシッコをお持ち帰りするお客様が多かったですね。持ち帰って何をするかはご想像にお任せで・・。なおSM店ではないので女の子に対して聖水どうのはありません。
更に更に更に風俗店摘発の話とは離れていくのですが、これは女の子に直接聞いた話です。
という要望を出してきた超常連のお客様がいたそうで、女の子は個人的にオプション料金を貰っているとは思いますが、その女の子は一週間に1回しか出勤しない女の子だったからお客さんの要望に100%応えたそうです!
ただし、自分でもちょっとキツイなって思うほど、身体がベタベタするし悪臭を放っていたそうですが、約束の出勤当日は一日貸し切り(12万円くらい)で、そのお客様がもう野獣のように全身中むしゃぶりついてきて、後も前も上も下も全て舐め取ってくれたそうで・・。
この過酷な依頼に応えた女の子は、今まで出会った風俗嬢の中でも、一番特異な存在の女の子でした。
名前は「めぐみ」さん。
ミドルヘアでキャリアウーマンのような雰囲気を兼ね備えていて、とてもハキハキしつつサバサバしたクールな性格で、とても風俗で働いているようには絶対に見えないタイプの女の子でした。普通にスーツに身を包んで丸の内にいるエリートってな感じです。とてもリピーターの多い人気の女の子でしたね。
でもその子から話を聞くと納得できました!
彼女の実家は名前は言えないけど、ちょっと有名な大きい会社を経営する資産家の長女で、超有名大学に通っている才女!中学校・高校と名門の学校で生徒会長をやっていた女性だったんです。
でも、本来タブーな質問ではあるんですけど「なんでお金に困ってもいないのに風俗で働いているのか?」って聞いた事があって。
って喋る表情は笑顔なんだけど、瞳の奥はとても悲しそうで・・コレは昨日のことのように今でも覚えています。
「彼女元気かなぁ?」って、たまに思い出すくらい印象的な女の子でしたね。タイプではなかったので残念ながら<恋>ではありません。最初の摘発時には出勤してなかったけど、それ以降はお店も辞めてきっと風俗は卒業しちゃったと思います。
まぁそんな感じで、いろいろな性癖をもった人間がいるんだなぁと関心しながらも、そんなお客様たちに支えられている風俗店です!
お客様の中には社会的地位の高そうな常連さんも沢山いるわけです!だって前川喜平って元文部科学の偉い官僚でさえ、歌舞伎町にあった恋活バー<ラブオンザビーチ>という出会い喫茶で、女子大生と週に何度も貧困調査(売春)しちゃうくらいですからね。
では「現場検証」なのか「現場確認」の話に戻しましょう!
偶然にもいつも超偉そうにしているお客様で、<Aコースの痴漢プレイ>の現場検証が行われました。
お仕事はお医者さんか弁護士っぽい感じで、いつも見下した感じの態度をとるお金はいっぱい持ってそうなお客様です。でも、風俗店、しかもイメクラに来て、「何勘違いしてんだオマエ」っていつも心の中で毒づいてたのはナイショで、接客中はもちろん全力の笑顔です!
ボクの働いていたお店は、数ある風俗店の中でも最上級の良い接客をするお店だったと自負しています!
刑事さんは絶対わざとやってますね、コレ!
お客様も覚悟を決めたのか、それとも吹っ切れたのか、全力で腰をふり始めました!
まさにお笑い芸人「レギュラー」の鉄板ネタの「あるある探検隊」のあの腰振りレベルが降臨!
するとお客様の息子もこんな状況なのに膨張してきてしまい、全員笑いをこらえるので必死だったんですよ!警察官はクスクス笑ってましたからね!
でも絶対笑っちゃいけない状況だからこそ、爆笑を抑え込むのに死ぬほど辛い時間だったなぁといいつつ、今は思い出してちょっと笑っています。
そんな不運の偉そうな常連のお客様は、毎週1回以上のペースで足繁く通ってくれていましたが、この摘発事件以降は一度も見ることはありませんでした。(また同じオーナーと従業員と女の子で店舗の営業を再開しているので)
そして現場検証が終わるとお客様と女の子と従業員はその場で開放され、現場責任者の店長のみ警察署へ連行されていきました。
残された従業員でとりあえず女の子の当日の給料の精算とケアー&フォロー、そして遅番の女の子へ臨時休業する旨の連絡を急いで行いました。同時にオーナーに電話で連絡をして指示を煽ることになります。
大胆にもオーナーは数時間後、摘発されたばかりの店舗へ直接やってきました。
警察が見ているかもしれないのに大胆だなぁと思ったのが感想です。ちなみにオーナーは青年実業家風の爽やかな40代前半の男性で、複数の飲食店を経営しているような雰囲気の男性です。
そんな感じで摘発を受けたボクの店舗は、1週間ほどお休みしました。
その間に店名やロゴの変更に伴う全ての変更対応をしたり、在籍する風俗嬢のフォローなど、意外と忙しく過ごしつつ、気づくともう通常通りに店舗の営業を再開していました!
この摘発で8名いた男子従業員のうち2名は辞めちゃいましたね。在籍していた女の子も全体の2割ほどは辞めちゃいましたね。イメクラのお店で業界初体験ばかりの素人の女の子が多かったのでコレは仕方がないことです。
摘発された「ファーストキス」という店名から「さくら組」に店名を変更して再開したお店でしたが、営業再開からわずか1週間後にさっそく警察がやってきました!
そう言って帰っていきました。ヤクザより態度悪いな、という感じで・・。
ちなみに当時<ケツモチ>というヤクザの用心棒が、どこの誰だったかは知りませんが「山口の○○だぁ」とか「幸平の○○だぁ」とかいうチンピラみたいなやつがたまに来て、金を払わず遊んでいく糞偉そうなヤクザがチラホラいました。
ヤクザが来たら「黙って遊ばせろ」というオーナーの命令があったので対応しましたけど。
でも同じヤクザでも、幹部っぽいヤクザもたまに遊びに来ましたけど、彼はプレイ料金が15,000円くらいなのに、毎回5万くらい「お釣りはいいよぉ」って置いていって時間無制限で遊んでいきましたね。
ただこの時ばかりは「次のお客様はヤクザなので宜しくお願いします」なんて女の子に言えないし、時間も決まってないから説明にマジで毎回困ったものです。とりあえず「3時間コースなんですが早く帰るかもしれないし長いかもしれないのでお願いします。オーナーのお知り合いなんです!」なんて苦しい説明をしました。
ただその幹部ヤクザは毎回ローションを大量に消費するプレイで楽しむらしく片付けが大変で、且つ金髪の短髪で体格がプロレスラーっぽく全身に入れ墨が入っているので、「絶対ヤクザじゃん!そんなのつけないでよ!」って毎回女の子に怒られるパターンでした。
在籍する女の子に辞められてしまうのは困るので、基本的にヤクザには風俗業界で長く働いている女の子を必ずご案内していました。でも彼のプレイは優しく紳士的だったみたいですけど。
無許可の違法店舗型営業には必ず【名義人】という仕組みがあります。
【名義人】というのは、簡単にいうと実質のオーナーや社長が逮捕されないための身代わりの人間の事です。
この名義人に毎月幾らくらい渡していたかは忘れてしまいましたが、月額で100,000円前後だったんじゃないかと思います。
そして風俗店摘発(ガサ入れ)で逮捕された場合には、謝礼で500,000円くらい渡すんでしょうけど、そんな感じでオーナーの身代わりになる人物を雇うので、実質の風俗店オーナーは違法店を経営していても物的証拠さえ残さなければ安全域にいるわけです。
ちなみにこの【名義人】の存在自体は警察も把握しているし、内偵の段階である程度は実質のオーナー経営者に目星はつけているんでしょうけど、名義人が「自分がオーナーです」と言えば、それ以上は追求できないっていう悲しいかな法律の限界というやつがあるのだと思います!
そんな感じで営業を再開してから僅か1週間で早くも警察からの<摘発の警告>を頂いてしまったので、コレは危険だ!という判断のため、ボクのいた風俗店はしばらく閉めることにしました。
しばらく休業するのでお店に在籍している女の子は、新宿・渋谷・池袋・横浜など他の地域にあるグループ店で出稼ぎという形で働いてもらい辞めないよう繋ぎ止めます。同時に男子従業員もそれぞれが指定されたグループ店舗へ手伝いに行きました。
ボクは新宿の店舗に手伝いに行ったのですが、出稼ぎで急に女の子が増えてしまったため、既存のお店の女の子の稼ぎが減ってしまったため、新宿のお店の店長からも女の子からも相当な厄介者扱いを受けましたね(涙)
ちなみにボクの働いていた店舗は、「佐藤さん」という店長がとても人格者で平穏な店舗だったんだけど、このヘルプでいった新宿のお店の店長は「前田さん」という超チンピラっぽい怖い人で、偶然にもヘルプ初日にお店に在籍する女の子とエッチしちゃった新人の従業員がいて、非常階段でボコボコにされて血まみれになっている人間を見たのはコレが生まれて初めてでした!
正直ちょっと怖かったですよね。でも実はこのチンピラ店長が約2年後に、ボクの人生を180度大きく変えるキッカケの人になるとは、その時も想像も予想もしませんでした。当然一生関わりたくないかぁと思ったからです。
そんなこんなもあり良い経験もしつつ、いよいよ1.5ヶ月ほどお休みした店舗を、店名を新たに「3年B組」として営業再開することが決定しました。
ボクのいた店舗は全5フロアで計15室の大型店だったので、本来は早番と遅番で最低でも4名づつの計8名は従業員がいないと店舗運営は正直厳しいくらいでしたが、警察による摘発(ガサ入れ)のおかげで求人も出せないし、なんだかんだのバタバタで従業員が次々と飛んでしまい、店舗の営業再開時には従業員が店長含めて4名になってしまっていました。
しかしボクがいたお店の店長は、風俗店グループの幹部も兼任していたので、店舗運営は向山主任に任せっきりで実質主任含めた3名の従業員だけで早番・遅番と全ての仕事をしていました。
ちなみに「飛ぶ」っていうのは、この風俗業界は常に人手不足で辞めたいと言っても120%引き止められて「辞めていいよ」と言われることは難しいため、基本的に99%の人間が無断で辞めます。コレを「飛ぶ」といいます。
従業員が「飛ぶ」タイミングはほぼ決まっており「両替」のタイミングです。
「両替」とはお釣りと女の子の精算用の千円札が少なくなると、近くのパチンコ屋に両替に行く業務なのですが、辞めたいと言っても辞めさせてもらえないし、給料日に在籍していないと給料も支払われない(一日5000円までの前借りという制度はあります)ので、少しでも足しにと両替金を持ったまま飛ぶことが習慣化されます。
そんな感じなので両替は基本的に一番下っ端の従業員の業務になるのですが、両替金を持ったまま飛んでも被害を最小限にするため、いつも2万円づつ刻んで両替させていました。
ちなみに両替に行く際には必ず「飛ぶなよっ!」が恒例の掛け声で、20分経っても戻らなければ「あぁ飛んだかぁ」が通常会話。
飛んだことに対しては驚くこともなくコレがいつもの会話で、お店の社員寮に荷物の残置物を確認しに行くくらいで、追いかけることは時間の無駄だからしませんでしたね。ちなみにその両替の損失分は指示した責任者の実費となります。
さてリニューアルした「3年B組」ですが、何事もなく3週間ほど営業を継続していましたが、この頃は近隣の風俗店の摘発の動向情報にかなり敏感になっていました。暇があれば近隣の風俗店の様子を見に行くことが習慣化されてましたね。
でも面白いことに必ず大手風俗店グループである「恋愛グループ」が、何故だか最初に警察に摘発(ガサ入れ)されていたので、恋愛グループが摘発されたらXデーは近いだろう、という感じだったかもです。
「3年B組」にその日はやってきた!
ガサ入れされた時間は13時頃でした。ある程度お客様が入っているタイミングを見計らって来た感じがします。
その日ももちろん人手不足でオープンから一度も休み無く、早番・遅番とぶっ通しで一日16時間くらい働いていたので、ボクは朝の開店準備を終わらせてから1階の更衣室で爆睡していました。
疲れ切って寝ているところへ、モーニングコール代わりに起こしてくれたキューピットは、怖い怖い顔をしたゴリラみたいな警察官。
急な寝起きで軽くテンパるよコレは!うわぁーマジすかってな感じでね。
そのまま腕を掴まれて地下のお客様の待機室まで連行されました。
今回の摘発(ガサ入れ)で警察の対応が前回と違ったのは・・
と店内の壁・接客用ボード・電話・備品など、ありとあらゆるものを破壊して回っていました。摘発してもすぐ営業再開するから、すぐに営業が再開できないようにするための破壊工作だろうと思います。
そしてまた前回同様に違法営業の証拠で性的なプレイの再現を行う「現場検証」
警察に「現場確認だ」と言われた瞬間からもうニヤニヤがが止まらなくなっています!
今回の現場検証は運悪く、新規で初めてのお客様だったのと、比較的新人の生意気な女の子だったので遠慮なく・・
しかし今回の摘発(ガサ入れ)では、店長など関係なく男子従業員は全員逮捕!
しかも逮捕期間は最大勾留の23日間でした。覚悟していたとはいえ何気にショックでしたね。
摘発された店名が「3年B組」だけに・・
初めての留置所ではイロイロと経験もできました。まるでドラマで見るいるような感じで。
留置所の警察官のことは「担当さん」と呼ぶのですが、担当さんから「部屋の囚人とは一切話をするなよ!」と強く念を押されたので、真面目なボクは言われた通りに挨拶もせずに留置所内の部屋で1人座っていたら‥
いきなりメチャクチャ2人に凄まれた。
無茶苦茶な道理だけど更に凄まれたので、きちんと謝罪して挨拶と自己紹介をしました。名前は偽名だけど(笑)
そんなこんなで・・
などと変わった仲間たちと同じ部屋で何十時間も過ごしつつ、5日に1回しか風呂に入れないため、何日もベタベタした身体とお付き合いし、楽しみと言えば朝の運動という30分の時間で吸うタバコ3本と、昼か夜の実費(たしか500円)の弁当のご飯が唯一の楽しみだったなぁと記憶しています。
理由があれば病院に行けると聞いて、一度も飲んだことは無かったけど「睡眠薬がないと寝れない」と担当さんに嘘を伝えたら、手錠をつけた状態でわざわざボク1人のためにワゴン車で病院に連れて行ってくれました。
でもその大きな病院ですれ違う人たちのボクを見るあの冷たい目は、本当に心に刺さり辛かった・・。親が子供に「見るんじゃない!」と叱っている光景も含めて「あぁ病院なんて嘘ついて来なきゃよかった」と深く後悔するほどに・・。
そして勾留生活で一番キツかったのは・・
東京地方検察庁では検事と略式起訴的な小難しいやり取りがあります。黙ってうなずいていればいいのだが。
その順番待ちで直角90度の硬い木の長椅子に、6時間くらいジッと座らされたような気がします。
時計がないから体感的にとにかく長かった!
その木の長椅子が硬いからお尻が痛いし、お喋り禁止だし、ジッとしているのが苦手なボクとしては本当に拷問でしたね。でもズル賢いやつは「体調が悪い」と言って別室でラクするやつも結構いたみたいで。
トイレも腰ほどの低い壁があるだけで音も臭いも全てがダダ漏れ!
ウンチをする場合には備え付けのトイレットペーパーはないので、担当さんにお願いして鉄格子越しからトイレットペーパーを使う分だけ巻き取るのだが、ただでさえ臭いの悩みがあるのに、トイレットペーパーが足りなく無くなったらもう悲惨。ウンコをお尻につけた状態で鉄格子まで行けないから、諦めて硬い椅子に長時間うんこの残りをキープしなきゃいけない訳ですよ。
普通の神経の人間ならば一度逮捕されると、もうあそこには戻りたくない!と再犯防止になると思います。ボクは犯罪を犯したという意識は正直ゼロだけど、留置所に戻りたくないので法に抵触する犯罪行為は金輪際ゴメンナサイです。
あっ!地検ではめちゃくちゃムカつくことがありましたね。
検事と対面して略式起訴的な罪状の確認があるのですが、警察が取り調べでまとめた調書を機械的に早口で淡々と読み上げて「コレで間違いないか?」と聞かれて、「いや、さっきのこ・・」で、
と他の警察官が複数人いるのに、いきなり超絶大声で怒鳴られて「それはちょっと・・」と答えると。
そう言われました。コレが表には出ない国家権力の本当の姿だと思います!
とにかく留置場ではガラス張りの丸見えのトイレの中で、コソコソとオナニーしたりと、長い長い留置所生活を無事卒業して、たった23日間にも関わらず晴れて釈放された時のあの何とも言えない感動は、人生で二度と経験できないと思えるくらいの開放感でした!
いざ警察署から釈放されると、トコトコと歩いて摘発された店舗に戻りました。外で吸うタバコはウマかった!
店舗に戻ると、店内は摘発時の破壊されたままの酷い状態で放置されており、地下のビリビリに破かれた待合室のソファにもたれかかってタバコを吸いました。
そこへ突然オーナーが「ご苦労だったな」とやってきて、他の逮捕された2人の従業員と共に、その足で近くの寿司屋で大トロばかりをご馳走になり、その場で現金20万を渡されました。オーナーに関する情報を喋らなかったのと逮捕された際の慰労金です。
いま考えると逮捕されて20万って安いというか完全に養分ですね。当時はラッキーくらいにしか思っていなかったのが若気の至りです。
その後は店舗型の営業再開は難しいだろうとオーナーが判断したようで、違法営業をしていた店舗型はホテルヘルス型の風俗店に全店が移行しました。
実際には他の風俗店も同じように無許可店舗型営業からは完全撤退していきました。
そしてボクはグループ内のホテヘル店を新規出店を含め2店舗ほど渡り歩いた結果、逮捕されるリスクのある仕事はそろそろ辞めたいのと、これからの時代はインターネットが普及するし、稼ぐには営業広告を出す店舗側ではなく、営業広告を出させる広告側じゃないと旨味がないなぁと思い、風俗のインターネット広告の仕事を探そうと決意し、飛ぶことはせず正々堂々と退職を申し出て辞めさせて頂きました!
そして無事退職した翌日に、思いもよらぬ神が舞い降りました。
オワリ。
風俗店の日本人オーナーは潔く無許可の店舗型風俗店運営から撤退していきましたが、その後もしぶとく何年も続けたのが中国・北朝鮮系のアジアンエステですね。
30分6000円とかで最後まで出来るという事でサラリーマンに人気でした。しかし中国系のオーナーでも摘発・摘発の連続で流石に心折れたのか、この業態は2012年くらいまで粘りましたが結局は消えていきました。
そういえば無許可の店舗型が乱立していた時代、池袋北口に伝説の無許可の店舗型があったのをご存知でしょうか?
その店舗名も「ホットスポット」
お値段も在籍女性も全てがハイクオリティでパーフェクト!いつ行っても大行列の超絶人気店でした。
あと書きながら思い出しましたが、都内のデリヘルで初めて検挙・摘発されたお店が、新宿発の「トランプトランプ」っていう名前のデリヘルだったと思いますが、ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?
これもデリヘル業界ではいろんな意味で最強だったと記憶しています。
多分の記憶ですが、この「トランプトランプ」は摘発後に何度か店名を変えつつ、最終的に「レディーメード」というデリヘル店になって以降は行方が分かりません。個人的には最後まで素晴らしい風俗店だったと思います。
名刺とは一切関係ないのに、ココまで読んでいただき、ありがとうございました!